FAIRWAVE — DESK RESEARCH #01
CENTRAL.

ソニーミュージックが横浜の街全体で開く都市型フェス

机上リサーチ結果——ライブ以外の企画・物販・飲食・参加型・スポーツ枠・街との連動

作成者 二階堂作成日 2026年9月16日確認日 2026年9月15日扱い 公開情報の整理・社内共有用

はじめに

このメモは、横浜で春に開かれている都市型フェス「CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL」(以下CENTRAL)について、公開情報をもとに整理したものです。

目的は、私たちが計画しているフェス「FAIRWAVE」の参考にすることです。ライブの出演者は公式サイトで分かるので、ここではライブ以外の内容に絞っています。体験型の企画、物販、飲食、参加型の企画、スポーツやストリートの枠、そして街との連携です。

気になった項目だけ拾って読んでください。確認日は2026年9月15日です。記載の事実には巻末に出典を付けています。


1. 要点

先に結論だけ並べます。

CENTRALは、ライブ会場だけでなく街全体で人を動かしています。3日間で約9万人、連携イベントを含めると約16万人。来場者の68.5%(約11万人)が横浜の臨海部を回遊し、市内消費は約27.2億円と推計されています(横浜市議会資料)。会場は4つですが、人の流れは会場の外まで広がっています。

ライブ以外のコンテンツは、無料エリア「CENTRAL FIELD」(臨港パーク)に集まっています。コンテンツを分けると5層——技術体験、アニメ・キャラクター、参加型ワークショップ、飲食、街との連動。どれも"見る"より"やる・撮る・食べる"に寄せてあります。

外部のブランドは「体験を持ち込む」形で入っています。2026年に赤レンガ倉庫へ新設された「Echoes Amusement Park」では、ストリートブランドXLARGEが契約スケーターのスクールと大会を持ち込み、EAがゲーム、BLOCKHEAD MOTORSがラジコンを持ち込みました。ロゴを出すのではなく、来場者の手が動く企画を出す。これが参加の型です。

スポーツ・ストリート枠は、スケートボード、ラジコン、eスポーツ、ダンスバトルまで。ゴルフは、公開情報の範囲ではまだ誰もやっていません。

物販と飲食は「アーティスト監修」と「街の名店」の二本立て。餃子フェスは全品700円均一、コラボフードは10組、カレーフェスは21店舗。会場のフードは電子決済のみ。売り切れるまでの時間は驚くほど短く、初年度は限定Tシャツが11時30分に完売しています。


2. CENTRALとは(一枚で)

項目内容
正式名称CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL(通称CENTRAL)
主催・制作CENTRAL実行委員会(ソニーミュージックグループ中心)。制作は2025年ソニー・ミュージックソリューションズ、2026年は株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
横浜市との関係横浜市・横浜市観光協会と連携協定。無料エリアCENTRAL FIELDは三者の共同開催
開催第1回 2025年4月4〜6日(39組・8万人超)/第2回 2026年4月3〜5日(34組・約9万人)
会場Kアリーナ横浜「CENTRAL STAGE」/横浜赤レンガ倉庫「Echoes Baa」/KT Zepp Yokohama「CENTRAL LAB.」/臨港パーク「CENTRAL FIELD」(無料)
チケット(2026)Kアリーナ・赤レンガ 各¥12,000/KT Zepp ¥7,800〜8,300/臨港パーク 無料
海外版台北・クアラルンプール(ソニー系Zeppで単日開催)
協賛(2026)特別協賛サントリー/協賛ソニーフィナンシャルグループ・ソニーネットワークコミュニケーションズ・三菱商事都市開発・東急/技術協力ソニー

3つのライブ会場と1つの無料エリア、そして街全体で、ひとつのフェスを構築しています。


3. ライブ以外の体験 — 技術とアート

CENTRAL FIELDとKアリーナ周辺で、ソニーの技術がそのまま「出し物」になっていました。

企画誰が何をしたかうちで使うなら
S.RIDE モビリティ体験(2026)ソニー×S.RIDE自動運転の車をアプリで無料配車。車内で裸眼3Dディスプレイ+立体音響+においの制御でアニメの世界に入る。2025年は同じ仕組みでホラー体験ゴルフシミュレーターを「車に乗り込む」感覚の個室体験にする、という発想の種
超巨大3Dちゃんみな AR(2026)NUROスマホをKアリーナにかざすと巨大な3Dアーティストが出現。裸眼3Dの大型ディスプレイ展示も会場の建物や芝生に「かざすと何かが出る」仕掛けは、写真を撮らせる装置になる
金村美玖(日向坂46)×ソニーα 展示ソニー×日向坂46メンバーが撮った写真と言葉を、公園のオブジェクトに配置した屋外アート。2025年は音・瞬間・香りの3つのコンテナ出演者が撮った写真を会場に散らす。制作費は低く、ファンの回遊を生む
乃木坂46×So-net 衣装展示So-netCM衣装の展示+限定ステッカーを1,000名に抽選出演者の「モノ」を1点置くだけで人が集まる
パブリックビューイングソニー/NURO他会場のライブを無料エリアの特設ビジョンへ低遅延で中継。「THE FIRST TAKE」で全世界配信有料エリアの熱を無料エリアへ流す。飲食出店者は「ここでライブが無料で見られる」を集客に使っていた

技術は「見せる」より「乗せる・かざす・撮らせる」に使われています。


4. 参加型 — 手を動かす企画

企画誰が何をしたか参加費うちで使うなら
Rebloom Flower Projectソニーミュージック×日本サステナブルフラワー協会ライブ会場に贈られた祝い花を回収し、2025年は結束バンドと「ポプリ作り」、2026年はCHiCO with HoneyWorksと「アップサイクルのサシェ作り」(香りは本人が調合)。累計約1,600kgの花を回収¥1,000→¥4,000ゴルフ場の芝・ティー・古いクラブなど「ゴルフの端材」を素材にした小さなワークショップ。ブランドが持ち込みやすい
コラージュでサコッシュ作り(2026)障がいのあるクリエイターとプロのデザイナーが一緒に作ったアートを、切って貼ってヒートプレス。各回25名無料「一緒に作った」という物語つきの素材は、来場者が持ち帰りたくなる
Kabukicho Street Cypher(2026)ダンサー公募サイファー形式の予選からトーナメントで優勝を決めるダンスバトル。Googleフォームで事前登録無料「ニアピン」「パター」の即席トーナメントは同じ設計で作れる。公募が出演者を連れてくる
バグハン!(2026)ゲーム会社スマホでARの昆虫採集。会場でDLすると限定カードがもらえる。横浜・いなべ・松山を同じ週に巡回無料巡回型のブースは"連れてくる"だけで成立する
セサミストリート/PEANUTS各キャラクター塗り絵、パペット作り(有料整理券)、海洋プラスチックでキーホルダー、3.5mのスヌーピー、日本初の公式移動販売トラック一部有料キッズと親を「待たせない」装置。ゴルフ場フェスなら子どもの居場所が要る
アプリのスタンプラリー(2026)実行委員会会場周辺16か所を回り、5個集めるとサントリーブースで100円引き無料協賛社の"割引"を回遊の報酬にする。安く効く
シルクスクリーン/タフティング(2025・赤レンガ)Tシャツに刷る、ラグを織る手仕事の体験有料ブランドの「刷る」体験は物販と地続き

参加型の企画は、ほぼ全部が「持ち帰れるモノができる」か「勝ち負けがつく」のどちらかです。


5. スポーツ・ストリート枠 — Echoes Amusement Park(2026・赤レンガ)

2026年に赤レンガ倉庫の会場内へ新設された遊びのエリアです。コンセプトは「世界・次世代・共創」。三菱商事都市開発がCrown Partner(このエリアの筆頭協賛。同社の子会社が赤レンガ倉庫の運営に関わっています)。

企画誰が何をしたか
スケートボードXLARGE(Content Partner)契約スケーター2名によるスクール、デモ、ベストトリック大会(賞金総額10万円超)。11:00〜18:00
ゲームElectronic ArtsApex Legends/skate./EA SPORTS FC 26/UFC 5/F1 25の体験ブース
ラジコンBLOCKHEAD MOTORSストリートスタイルのRCデモ。スケートとジャムセッション
クレーンゲームパペットスンスン(Echoesレーベル)1回100〜200円、現金のみ。会場MCも兼任

ここにゴルフはありません。スケボーが入れたなら、ゴルフも入れるのでは!?


6. アニメ・キャラクター・IP

企画中身
アニメトークステージ(CENTRAL FIELD)2025年「四月は君の嘘」「ぼっち・ざ・ろっく!」→2026年「〈物語〉シリーズ」「黄泉のツガイ」。声優・監督・作曲家が登壇。自由席は抽選、それ以外は自由観覧。作品は毎年入れ替え
VIVAL(2025・KT Zepp)VTuberと実在アーティストの共演ライブ。配信チケット¥6,600
キャラクターセサミストリート55周年、PEANUTS、NHK Eテレ「The Wakey Show」のグッズ移動販売
コラボグッズZPZP(Zepp運営のアパレル)×PEANUTS、ZPZP×CENTRAL26

IPは「毎年入れ替える」ことで、リピーターに新しい理由を渡しています。


7. 物販

場所中身時間・条件
CENTRAL公式グッズ臨港パークの物販テント(誰でも購入可)、KT Zepp 1Fホワイエ(先行物販は誰でも・開場後はチケット所持者)4/3〜5
Echoes Maaket(赤レンガ)Echoes Baa公式グッズのテント4/4・5 11:00〜20:00・チケット所持者限定
移動販売セサミストリートの公式トラック(日本初)、SNOOPY'S SURF SHOP、The Wakey Show数量限定・キャッシュレスのみ
出演者統一物販アーティストのグッズを一括で販売購入に2時間かかったという声(2026)

来場者の記録では、2025年は11:30に限定Tシャツ(Sサイズ)、13:00に全サイズとアクリルスタンド、17:00にほぼ全グッズが完売。攻略ブログは「開場2時間前(朝8時)から並ぶ覚悟」を勧めていました。

売り切れは、狙って作っている可能性もあります。確かなのは、限定と数量の設計、そしてキャッシュレス完全対応が前提になっていることです。


8. 飲食

企画中身価格
CENTRAL餃子フェス(2026・臨港パーク)全国の人気店11店舗・20種類。横浜の「餃子の翠葉」も参加全品700円均一
アーティストコラボフード(2026・10組)=LOVE、乃木坂46、結束バンド、ちゃんみな、優里ほか。各組が監修した限定メニュー(例:結束JAM ROCK BERRY COLA ¥1,100、ちゃんみな TEST ME TASTE MY "DONUT" ¥1,200)¥1,000前後
CURRY&MUSIC JAPAN(赤レンガ)2025年で5回目のカレーフェス。2026年は21店舗・入場無料。YOASOBIブース、ハウス食品、100時間カレー等店舗ごと
サントリーブース(特別協賛・全会場)生ビール、角ハイボール、翠ジンソーダ、ノンアル。購入者に限定ステッカー。19組のアーティストとコラボした缶を44の商業施設の自販機で販売
2025年の出店ハラルフード、ケバブ、たこ焼き、飴細工、ローストチキン、ラーメン、BBQの7店舗
決済臨港パークのフードは電子マネー・QR・カードのみ(現金不可)

来場者の声で一番多かったのは、優里さん監修の「ベテルギウスポテト」(¥1,000・星形のポテトにガーリックバターとチーズソース)。複数のブログが名指しで書いていました。値段よりも「あのアーティストが監修した」ことが効いています。

飲食は「均一価格」と「監修の名前」。この2つで行列ができています。


9. 街との連動 — 会場の外を会場にする

企画中身
コスモクロック21(大観覧車)出演アーティストのロゴを毎時0・15・30・45分に1分間投影。来場者のVlogでは「観覧車の1分演出」として"見どころ"扱い
コンテナのフォトスポット桜木町駅前とハンマーヘッド前に、アーティストロゴのコンテナ。夜はライトアップ
「やぐら」(2026)市民のワークショップで子どもたちが作った作品を組み込んだ櫓を桜木町駅前に設置。和太鼓の演出つき
ステッカーキャンペーン対象店舗で指定メニューを頼むと限定ステッカー。2025年は約200〜230店舗(資料により幅あり)→2026年は154店舗で約9,500枚を配布
ロケーション&ミュージックセレクション(2026)街の12か所にQR。その場所に合わせて選曲された曲と、アーティストの限定メッセージが聴ける
花火・ライトアップ大さん橋から5分間の花火(2日連続)、みなとみらいの施設を一斉ライトアップ
街なかステージ桜木町駅前で高校の吹奏楽部と横浜市消防音楽隊が、出演アーティストの曲を演奏
Live!横浜との同時開催(2026)横浜市主催の市民フェス(8万人・170組3,300人が出演)と同じ3日間に重ねる。市側のプログラムには「楽器・スポーツ体験」の枠がある

2025年は「フェスが街に来た」。2026年は「街がフェスになった」。(写真家のレポートより)


10. サステナビリティ — 意外と厚い

企画中身
Rebloom Flower Projectライブの祝い花を回収し、ワークショップ・装花・グッズに再利用(累計約1,600kg)
出光興産の実証実験(2026)会場で回収したプラカップを油に戻すケミカルリサイクル
ボトル to ボトルみなとみらいの23施設とサントリーが組んで、ペットボトルを水平リサイクル
リソースハブパシフィコ横浜が運営するごみ分別・資源化の拠点
端材の再利用卓球ラケットの端材で作った卓球台、アップサイクルのターンテーブル、再生プラカップ
PEANUTS海洋プラスチックを使ったキーホルダー作り

祝い花、プラカップ、端材。ゴルフフェスにも使える「社会性の打ち出し方」のヒントが、ここに揃っています。


11. 数字(横浜市議会資料 2026年5月28日より)

指標数字
CENTRAL来場者約9万人(連携イベント含め約16万人)
Live!横浜と合わせた来場者約24万人
経済効果約27.2億円(市内消費推計)
CENTRAL来場者の回遊率68.5%(約11万人が臨海部を回遊)
ステッカー配布154店舗・約9,500枚
チケット価格帯¥7,800〜12,000(2025年の周遊券¥20,000は完売)

出典: 横浜市 経済港湾委員会資料「Live!横浜2026の開催報告について」


12. 来場者の声から学ぶ運営メモ — 私たちが気をつけること

個人ブログ・SNSから拾った、公式には出てこない話です。CENTRALへの批判というより、同じ失敗をしないための覚え書きです。

起きたこと学び
物販が11:30に完売、購入に2時間「切らさない」か「時間別の整理券」か、先に決める
Kアリーナ上層階からの規制退場で横浜駅まで約75分出口を分ける。終演時刻をずらす。帰り道の"寄り道先"を用意する
トイレの穴場が個人ブログで共有される(隣接施設のトイレ)会場外のトイレ導線を最初から地図に載せる
QR決済のカメラの精度が悪い/現金不可で戸惑う決済は「速い1種類」に絞り、入口に告知する
低身長の来場者が「人の頭で全く見えない」段差か、手前に低い席か。モニターだけでは補えない
ピアノの演奏中に手拍子が止まらない「静かに聴く曲」は司会が先に言う
アイドル系のファンとバンド系のファンで"文化差"の摩擦(私服・名前T・コール)混ぜるなら、混ざる前提のルールを最初に共有する
開催前に「会場間の移動40分・周遊券2万円で3組しか見られない」と個人ブログが予見し、ほぼ的中動線とチケットの設計は、開催前に外の人に一度読ませる
単独公演では必ずあるボディチェック・身分証確認がフェスでは無かった(単独証言)招待制なら、受付の"顔"で担保する

不満の多くは「動線」と「待ち時間」です。演出より先に、待たせない設計。


13. うちのフェスへの持ち帰り — 決めていきたいこと

CENTRALを5層に分けると、私たちのFAIRWAVEに足りているもの・空いているものが見えます。

CENTRALの例FAIRWAVEでの候補決めること
技術体験自動運転の没入体験、ARゴルフシミュレーターの個室化、かざすと出る仕掛け何を"撮らせる"か
参加型祝い花のサシェ、ダンスバトル、AR採集端材ワークショップ、ニアピン/パターのトーナメント「持ち帰れるモノができる企画」を1つ、「勝ち負けがつく企画」を1つ
スポーツ・ストリートスケボー、ラジコン、eスポーツゴルフそのもの+ストリート系の1枠協力社が持ち込む体験を何にするか
物販・飲食監修フード、均一価格、移動販売参加ブランドの限定品、監修ドリンク飲食の提供レベル(出す/出さない/出すならどこまで)
街との連動観覧車、ステッカー154店舗、街なかステージ南青山の周辺店舗、帰り道の寄り道先まず何店舗と組むか
いま決めていきたいこと(3つ)
  1. FAIRWAVE #000で「参加型」を何にするか——持ち帰れるモノができる企画を1つ、勝ち負けがつく企画を1つ
  2. 協賛社への提案を「ブース出展」だけにしない——協賛の松竹梅で中身が変わるので、体験型の企画を提案できれば双方にとって良い形になる可能性がある。XLARGEがスケボーを持ち込んだ形が参考になる
  3. 飲食の提供レベル——出すのか出さないのか、出すとしたらどこまでか